2024.10.16blog

はたらく

#社長ブログ

10月14日
体育の日に珠洲市へボランティアに行ってきました。
今年の1月1日の震災以降、自身としては16回目の被災地支援。
9月22日の豪雨災害以降は2回目となります。
今までは支援物資を届ける事を続けていましたが、
今回初めてボランティアとして現地で作業をしてきました。

私達は所詮は素人のボランティア。
震災被害では私達ごときができる事があまりありませんでしたが、
今回の豪雨被害ではとにかく人手が必要との事で、
仲間の経営者とトミソーの社員、
そしてその小学校6年生のお子さんも含めて6人で行ってきました。

珠洲市大谷地区。
富山から片道3時間半かかります。
震災被害にて家屋倒壊や土砂崩れなど甚大な被害のあった地区ですが
この豪雨災害でも大きな被害が出ています。

14日は他にも全国から集まったボランティアの方々約20人で
民家の裏に崩れてきた裏山の土砂を掻き出す作業を行いました。

土砂のイメージを完全に覆すものでした。
ヘドロの様なすえた匂い。
スコップにへばりついて振り落とそうにもなかなか落ちないベトベトに粘る泥。
そして何より質量が多い。重たすぎます。

朝一番にスコップを一振りして、
この泥を掻き出すのか・・・・と絶望に近い気持ちになりました。

今までは土砂や砂を掻き出して地面を出すのには角スコップが最適だと思ってましたが
この重いヘドロでは全く無力で、
スコップに載せる泥の量が少なく、奥まで刺せる丸スコップの方がまだ向いています。
しかし一番やりやすかった道具が鍬でした。
裏山の草木が混ざったヘドロに思いっ切り鍬を振り落とし、
草木の根ごとぶち切って掬い土嚢袋に振り落とす。
まるで畑を耕す姿の様ですが、これが一番やりやすい。

重機の入らない民家の裏から泥の入った土嚢袋を人海戦術で国道沿いまで運びます。
膝上まで積もったヘドロを掻き出す事4時間
20人弱でやりましたが1.5メートル掘り進めるのが精一杯でした。

土石流の恐ろしさも実感しました。
高さ30センチほどの土石流だとしても、
こんなベトベトで重量のあるヘドロが山から勢いよく流れてきたら
絶対に立っていられません。
そして転んだが最後、ヘドロから抜け出せません。
顔まで埋まったら自力では出られないでしょう。
口や鼻にヘドロが入ってきたら呼吸なんてできません。

テレビや動画などで見て「知った」気になっていました。
現地で実際に体感しないと分からない事が沢山あります。

ボランティアには全国から集まった学生さんや東京の企業のグループや
中には北海道から一人駆けつけた人もいました。

本当にちょっとづつの地道な作業でしたが、
1.5メートル進んだだけでもやりきった気持ちになりました。
朝、一回目のスコップを入れたときの絶望感を思うと本当に大した成果です。

知らない人同志ですが、自然と仲良くなります。
もう同志です。

お金の為ではない。
困っている誰かのためにそれぞれが文句も言わずコツコツと作業をこなす。
感謝される訳でもない。
でもきっと喜んでくれる人が居ると信じて土嚢袋を運ぶ。
同志でしたね。

日本の「はたらく」姿を観た気がします。
日本のはたらくの語源は「傍を楽にする」です。
周りの人を楽にする。

一所懸命にはたらいてきました。
終わった後に富山チーム6人で積み上げた土嚢袋と泥の前で記念撮影してもらいました。
みんないい顔しているでしょう。

これがはたらいている人の顔です。