2025.5.30blog

危機意識

#社長ブログ

富山は恵まれている。
と改めて最近感じる機会が多くありました。

立山連峰からの豊富な雪解け水のおかげで
アルミや精密機械の製造が盛んです。
歴史的に製薬会社も多くあります。
黒部ダムを代表として水力発電施設も多く、
北陸電力、関西電力の恩恵も大きいです。

上記の産業を支えている大企業により
雇用の安定や、二次三次の下請けの中小企業の業績も安定しています。

リーマンショックの時に感じた事。
お隣りの石川県金沢市の繁華街である竪町の様子が
その時に驚くほど変わりました。
人が全く居ない。ゴーストタウンの様でした。
観光産業がある程度下支えしている街なのでしょう。
不況のあおりを大きく受けている印象です。

その時の富山の桜木町も、もちろん人出は減っていましたが
竪町と比較してみたらショックは小さかったと記憶しています。

アルミ、精密機器、製薬、電力。
各産業を代表する名だたる企業が富山を下支えしていると感じます。
ちょっとの不況では大きく揺るがないのでしょう。

店舗デザイン協会の関係で、東京や大阪の空間デザイナーさん達を
富山にお招きする事があります。

好き、嫌いは置いておいて。
案内しやすい街中の富山キラリもお見せしますし
私の大好きな水墨美術館や高志の國文学館などもご案内します。

皆さん驚かれるのが、
贅沢な空間の使い方です。

全体の床面積に対して、
施設として必要なモノ(図書館、美術館など)が半分以下。
あとは自由に入れる上に贅沢に空間計画がされている点です。

「税金でこんなに贅沢なプランニングをして、
納税者から文句が出ないんだねぇ
東京や大阪でこんな贅沢な施設を創ったら大問題になるよ」

と言って帰られます。
富山県は他県と比較しても税収も安定しているのでしょう。

上記の大企業様のおかげです。

少し余談ですが、
そのくせ、富山の人はよく「富山には何もない」とぼやきます。
北陸新幹線が開通して、観光客は富山を通過して金沢にいっちゃう。
富山に泊まらない。
全国規模の大企業の「北陸支店」はやはり金沢です。
観光収益が上がらない。
とか言われる方もありますが。
だからといってそんなに困っている県でもないんです。
欲張りすぎです。

平時はいいじゃないですか。
ピンチの時に強い立山連峰に護られた素晴らしい県です。
誇りにしていきましょう。


さて、話を戻します。
そういう歴史的背景もあってか、
富山の人には比較的「危機意識」が少ない感があります。
特に経営者。

リーマンショックも(きっとそんなに大変な努力がなくても)乗り越えた。
まあ、なんとかなるさ。
という空気感が大勢を占めている感じがします。

先代や先輩方が築き上げてきた歴史ある会社。
内部留保が大きく、確かに10年ぐらい欠損を出し続けても
潰れない会社さんもたくさんあります。

しかし、上記の産業ではない業界は
他県と同じように厳しい状況です。
我々の建築業界も変わりません。

そこそこ歴史のある同業の県内大手企業さんでも、
なんと二期連続の赤字・・・

あの企業が二次連続赤字って・・・
それを聞いて私が心配になるくらいです。

しかし、噂を聞くと。
当の会社の二代目社長はいまだに週三回ゴルフに行っているとの事。
噂なので、本当に毎週きっちり三回ゴルフには行ってないでしょうけど・・・

今しか見ていない事は色々な会合などに出て
呑みながら会話をする中で凄く感じます。

今は大丈夫でも、10年後にどうなるのか?
その時にジタバタしても、会社の経営がうまく行くとは考えられません。
時間がかかる事は、ちゃんと時間をかけてやらないといけません。

経営ってそんな事だと思います。


おかげさまで。
当社はリーマンショックの時には大変な思いをしました。
その時に救って頂いた御恩もあります。
順風満帆でなかったおかげで、危機意識を持って経営が出来ていると
自分なりには思っています。

少なくとも、「このままでいい」とは思っていません。
会社をもっと善くしていく事で
富山をもっと善くしていきます。